ジャスミン革命再び?【チュニジア】

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

まだまだ開会式の賛否は尽きないようですが、視聴率は56.4%の驚異的な数字を出しています。

そんだけの人が見ていれば、そりゃ話題になるはずです。

日本のお家芸柔道や新競技スケボーでのメダルラッシュも続いております。

残念ながらメダルが期待できそうだった水泳男子競泳が振るわないですね。

これから日本勢の挽回があるのでしょうか。

男子の競泳400m自由形では、チュニジアのアハメド・ハフナウーイ選手が金メダルに輝いております。

このニュースを見て「ついにそういう時代になったか」と思いました。

スポーツというのは競技人口が多いほど優秀なアスリートを育てやすいものですが、それと同時に経済的に豊かでないと続けられません。

貧乏な家庭の子供が優雅に水泳なんてさせてもらえないですよね。

チュニジアから金メダリストを排出したということは、それだけ中産階級が増えてきているということでしょう。

チュニジアについて知っていることといえば、ローマ帝国と敵対したハンニバル将軍のカルタゴと、第二次世界大戦中のドイツ・アフリカ軍団が降伏した場所としか知らないですね。

というわけで、本日は北アフリカの小国チュニジアを掘り下げたいと思います。

チュニジアとは

地中海に面した人口約1000万人の小さな国で漠然とアラブ人の国というイメージであります。

元々ベルベル人やフェニキア人の国でしたが、アラブ勢力に征服されたことによりアラブ化しております。

ベルベル人から歴史が始まり、フェニキア人がカルタゴを建国し、ローマ帝国に敗れてからは、そのアフリカ属州となり、その後アラブ人に征服されます。

近年フランス領となり1956年チュニジア王国として独立するというなかなか複雑な歴史を歩んでおります。

カルタゴやローマの遺跡、アラブ文化とフランス文化の入り混じった感じの国でしょうか。

公用語はアラビア語ですが、フランス語も広く使用されているそうです。

フランス語が通じるので、欧州企業も進出しやすそうですね。

ジャスミン革命

2011年チュニジアで起こった革命で、国を代表する花からジャスミン革命と呼ばれています。

事の発端は路上で野菜を売っていた青年が当局の摘発に抗議し、焼身自殺した事件から始まります。

これが経済的に困窮する人々の共感を呼び数千人規模のデモに発展し、やがて矛先は長期独裁を続けてきたベンアリ政権の体制打破のデモとなって各地へ拡大します。

それまで秘密警察により反体制勢力の抑え込みに成功していた当局も、若者を中心としたSNS(フェイスブックやツィッター)による情報を封じることはできず、リーダー不在のまま全土に波及します。

民衆に包囲されたベンアリ大統領は混乱を収めることが出来ず、サウジアラビアに亡命し、ついには23年間続いた独裁政権を倒すことに成功しました。

ジャスミン革命はエジプト、リビア、シリア、イエメンに波及し各国で政権が打倒されることとなりました。

別名アラブの春とも呼ばれています。

チュニジア経済

他のアラブ諸国とは違いチュニジア経済は石油依存体質ではありません。

石油製品、工業、農業、観光と多岐にわたります。

EUとの関係も良く、欧州各国の企業も進出し、欧州とは良いパートナーシップを結んでいます。

特に農業は国土の大半がサハラ砂漠であるにもかかわらず、約3割が農地で占められており、食料自給率は100%を誇ります。

主に小麦とオリーブ、野菜を中心に栽培しております。

しかし、ジャスミン革命以降独裁政権を倒したものの、政局は定まらず、失業率は上がり始め、ジャスミン革命時の失業率18%に近づきつつあります。

今年に入りコロナ対応を批判する形でデモが広がり、7月25日には現大統領が首相の解任と議会の30日停止の決定を宣言しております。

ジャスミン革命を経て発足した議会を停止を強行したことにより、再び革命の機運が高まりつつあるようです。

チュニジア投資

なにやら再びきな臭くなってきたチュニジアですが、投資の観点ではどうでしょうか。

同国にはチュニス証券取引所があり、同国主要企業が上場しておりますが、当然日本からは購入できず、ニューヨーク市場にも上場はしてなさそうです。

無理して買うようなめぼしい企業はもちろんありません。

ETFはどうかというと、ブラックロックのMSCI TunisiaというETFがありましたが、マニアック過ぎて誰も買いませんね。

もう一つチュニジアが含まれている、iシェアーズ フロンティア株ETFがありますが、こちらは楽天証券でも買えますね。

因みにフロンティアのカテゴリの上位にエマージング(新興国)があり、フロンティアから昇格することもあるのだとか。

冗談半分で調べただけですので、同国に投資することはまずないでしょう。

まとめ

正直、経済成長率著しい新興国かと思っていましたが、失業率の高まりと政情不安で逆に危うさのある国でしたね。

アハメド・ハフナウーイ選手の活躍で国が盛り上がれば良いのですが、今は各地でデモが頻発して五輪どころではないようです。

国際的には中所得国なのですが、国土もコンパクトで民族紛争もなく、工業も発達しているのですが、なにかもったいない国でありますな。。。

なんか中途半端な気分であります。

 

ではこの辺で、مَعَ ٱلسَّلَامَةِ(マアッサラーマ!)