紙切れ以下?【ブタペスト覚書】

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

ウクライナ戦争により、ここ数日はオミクロン株の話題がふっ飛んでしまいました。

ロシアからのフェイクニュースや謀略情報も流されるため、未だ戦況がよく分からないですね。

ロシア軍は盛んに空挺部隊による降下作戦を行っているようで、今は首都キーウ(キエフ)攻防戦の真っ只中のようです。

意外にといっては失礼ですが、ウクライナ側は善戦しているそうですが、兵力に勝るロシア軍にいずれは押し込まれるでしょう。

市街戦となれば、両軍及び一般市民にまで犠牲者が拡大するものの、戦闘が長引けば兵站やロシア国内の世論、国際世論などによりロシアが不利になり、逆に欧米を始めとする国際社会からの同情と援助を受けてウクライナが有利になっていく可能性もなります。

欧米が直接軍事介入しない分、ウクライナに対して援助はすべきでしょう。

そもそも、ウクライナはNATOに加盟してないとはいえ、米国、英国は1994年のブタペスト覚書によってウクライナの安全保障するものとしています。

しかし、米英は実際に直接的な軍事支援は何もしていません。

ブタペスト覚書

1994年にハンガリーのブタペストで開催されたウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンの旧ソ連時代の核を放棄を決めたのがブタペスト覚書であります。

核を放棄する代わりに、協定署名国の米国、ロシア、英国がこの3国に安全保障を提供するという内容であります。

以下、詳細はウィキペディアより。

  1. ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナの独立と主権と既存の国境を尊重する。
  2. ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する脅威や武力行使を控える。
  3. ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに政治的影響を与える目的で、経済的圧力をかけることは控える。
  4. 「仮にベラルーシ/カザフスタン/ウクライナが侵略の犠牲者、または核兵器が使用される侵略脅威の対象になってしまう」場合、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに支援を差し伸べるため即座に国連安全保障理事会の行動を依頼する。
  5. ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する核兵器の使用を控える。
  6. これらの誓約事に関して疑義が生じた場合は、互いに協議を行う

今にしていえば、安全を保障している国の一つがウクライナへ侵略し、残りの米英は経済制裁のみで具体的な行動をとらないという、ウクライナにとっては悪い冗談以外の何者でもありません。

既にロシアは5番以外すべて行っています。

敗戦間近の日本に対し、日ソ中立条約を平気で破るような国ですので、覚書程度は鼻紙にもなりません。

最近ではミンスク合意も破っています。

とあるニュース番組で専門家らしき人が、ウクライナはNATOでもなければ、欧米の同盟国ではない為、軍事支援出来ず、ブタペスト覚書程度では軍隊を派兵出来ないと言っておりました。

それなら一体何のための覚書なのでしょうか。

それを言ってしまったら、国同士の約束事などいつでも簡単に破られてしまいます。

そういうことを当たり前に行う国が日本の隣にいたような気もしますが。。。笑

ウォールストリートジャーナル紙は「ウクライナはブタペスト覚書」に裏切られたという記事を書いています。

その一文に「文書化された約束を信頼することの愚かさを改めて示すものだ」とあります。

国家間の信義などいとも簡単に破られてしまう信用のおけないものですね。

日本も日米同盟があるからといって、必ずしも米国が助けてくれるとは思わない方が良いですね。

自主防衛はこれからの国際社会を生きる上で当然の如く必要であります。

湾岸戦争とどう違う?

前述の専門家らしき人が覚書程度なので派兵出来ないといっていましたが、米国は以前同盟でも文書も交わしていない国の為に大軍を派遣して戦争を遂行しております。

それが1991年の湾岸戦争であります。

隣国イラクに侵略されたクェートの為に、アメリカを始めとする多国籍軍が参戦しました。

相手が核を持たない弱小国のイラクと、強大な軍事力と核を持ち、国連常任理事国であるロシアでは単純に比較出来ませんが、状況は酷似しています。

一体何が違いのでしょうか。

イラクは軍事的に圧倒出来ましたが、ロシア相手ではそうはいかず、第三次世界大戦に発展する可能性もあり、全面核戦争になる恐れも否定できません。

それよりもクェートには戦略物質である石油があり、この利権を守る為なら米国は血を流せたということであります。

ウクライナには米国の守るべき国益が無かったということであります。

石油の為には米兵の血を流しますが、ウクライナの小麦の為に米兵を死地に追いやることはないようです。

結局綺麗事を並べたところで、当然ですがすべては国益に左右されるということですね。

ただ、今回のロシアに関しては国益になるとは到底思えませんので、独裁者プーチンの利益になるということで始められた戦争と見ることが出来そうです。

おわりに

最近ウクライナ関連の記事ばかりになっておりますが、世界史的な出来事でありますのでしょうがないですね。

戦争に善玉も悪玉も存在しないというのが、私の見方ではありますが、今回は間違いなくプーチンが悪玉です。

プーチンのソ連帝国復活という個人的な野望を追求しているだけです。

日本ではロシア擁護と見られる発言も少なからずいるようです。

言論は自由とはいえ、どうしてそういう思考になるのか理解に苦しみます。

サッカーの本田圭佑選手もツィッターで「ウクライナが最初から協議を申し出ていれば犠牲者は無かった」との趣旨の発言をしていました。

世の中なんでも話し合いで解決できると思ったら大間違いですし、そもそもなんで侵略されている側が非難されなければならないのか訳が分かりません。

侵略しているロシアに言えよという話であります。

まぁとにかく、まとめると文章だけでは国は守れないということですね。

 

 

ではこの辺で、до побачення!(ドポバーチェニャ ウクライナ語で「さようなら」)