¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。
東欧の国ウクライナがロシア軍侵攻の危機にあり、きな臭くなってきました。
ロシア軍がウクライナ国境に17万もの兵力を張り付けたままにしているからであります。
米情報当局は年明け早々にウクライナに攻め込む計画と見ています。
バイデン大統領は、プーチンロシア大統領とオンラインで会談したようですが、抑止の効果があったのかなかったのか。
結局、ウクライナ有事があっても米軍の派遣はしないといってますので、経済制裁をちらつかせるだけでどこまで睨みを利かせることができるでしょうか。
EUもイマイチ態度がはっきりしないですね。
結局有事があっても欧米諸国はウクライナ防衛をすることはなさそうですが、武器弾薬や資金援助くらいはするかもしれないですね。
ロシアは脅しの為に軍を動員しているわけではなさそうなので、躊躇なく作戦行動を起こしそうですね。
ロシアはソ連崩壊後、チェチェン紛争、グルジア侵攻、クリミア・東部ウクライナ紛争と軍を動かすことにためらいは見られません。
ロシアとウクライナはこのまま全面戦争に突入してしまうのでしょうか。
また、なぜロシアとウクライナは対立関係となってしまたのでしょうか。
ウクライナとは
ウクライナのイメージというと我々世代はチェルノブイリ原発事故で有名であります。
当時は本当に放射能が日本にも来ると思って子供ながらに恐怖したのを覚えています。
他に美女大国、ウクライナサッカーの英雄アンドリュー・シェフチェンコくらいでしょうか。
意外と知られていないのが、ボルシチがウクライナ料理ということですかね。
ウクライナは旧ソ連から30年前に独立し、当時は「広大な面積と人口5千万を擁する欧州ビッグ4(英独仏伊)に匹敵する国が誕生した」などと一部でいわれていましたが、独立してから現在に至るまで欧州最貧国の一つで鳴かず飛ばずの状態が続き、おまけに隣国の元兄貴分のロシアからはいじめを受けております。
写真はウクライナの風景で国旗の配色青と黄の元になっています。
ウクライナは穀倉地帯であり、肥沃な黒土と農業生産に適した気候、水資源に恵まれ「欧州の穀倉地帯」といわれてきました。
過去にはドイツのヒトラーもウクライナを欲しがり、モスクワ攻略を後回しにするくらい固執していました。
旧ソ連時代には重化学工業も盛んで、中学の時に習ったドニエプル工業地帯がウクライナ東部にあります。
長くポーランドやオスマン・トルコ、ロシアの一部とされ、ロシア帝国時代にはロシア化も進行し、ウクライナ語の他、クリミア半島や東部にはロシア系住民やロシア語を母語とするウクライナ人も多いようです。
民族のアイデンティティとしてはまだまだまとまっていないのでしょう。
ロシアとの対立
もともと兄弟国とまでいわれていたロシアとウクライナですが、なぜここまで対立するようになったのでしょうか。
同じスラブ系でお互いロシア語とウクライナ語が分からなくても半分くらいは理解できるそうです。
ロシアは伝統的にウクライナをロシアの勢力圏と思っており、ウクライナを常に自国の影響下に置いておきたい思っています。
ウクライナを他国の勢力に取られると、なだらかな平原なので、一気にロシアに攻め込まれてしまいます。
また、石油や天然ガスの積出港としても重要であり、地政学的にロシアにとっては要衝であります。
ウクライナ独立後はしばらく親露政権が続いており、ロシアとの関係も良好でした。
しかし、2004年のウクライナ大統領選で親露派のヤヌコーヴィチが勝利すると、抗議活動が活発化しオレンジ革命と呼ばれる政治運動に発展します。
ロシアの後押しを受けた親露派ヤヌコーヴィチ大統領が再選挙を受け入れ、選挙の結果野党の親欧米のユシチェンコが政権の座につきます。
簡単にいうと今までロシアべったりだったのが、欧米よりになったことがロシアの気に障ったということです。
ウクライナはそれ以降、NATOやEU加盟を模索しはじめ、ロシアを焦らせます。
この辺は複雑なので端折りますが、その後も親露派と親欧米派の対立は続き、業を煮やしたロシアによりハイブリット戦争を仕掛けられ、2014年にロシア系住民の多いクリミア半島を制圧され、同じくロシア系の多い東部に介入し親ロシア系住民のの分離独立を支援しドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を樹立させました。
この2カ国はどの国からも承認されず、当のロシアからも承認されておらず、ウクライナでは反政府組織という位置付けであります。
ロシアとしては隣国のベラルーシ同様にウクライナが親露でロシアの影響力の範囲内にあれば問題ありませんでしたが、EUや米国に取り込められるのは断固と阻止する構えですね。
親ロシアのベラルーシについてはこちらどうぞ。
逆張り投資!? 欧州の強権独裁国家ベラルーシどうなるか分かりませんが、2022年の大きな株価に影響を及ぼすリスクになる可能性が高いですね。
ロシア軍が侵攻すればウクライナ軍だけでは防衛できないでしょう。
ここで欧米が遺憾の意を表明するだけでお茶を濁すようだと、台湾を狙っている中国に誤ったメッセージを送ることになりかねません。
しかしながら、ロシアと戦争になることを覚悟の上でウクライナを助けるのも、相当難しい決断であります。
ウクライナ経済
肥沃な大地と重工業という恵まれた環境がありながら、長らく低迷を続けております。
主要産業の1位はドネツ炭田などの鉱工業ですが、前述のように「欧州の穀倉地帯」と呼ばれ大麦、小麦トウモロコシなどの穀物を生産しております。
最近では世界に向けて穀物を輸出しており「世界の食料庫」となりつつあります。
また、旧ソ連時代から重工業が盛んであり、軍需産業も外貨獲得の一翼を担っています。
実は隠れた武器輸出大国なのであります。
そして、意外なことに近年ITの世界で注目され、東欧のシリコンバレーと呼ばれるくらいのIT大国として台頭しております。
これはもともと理系人材が豊富なことと、安い人経費により、欧米IT企業のアウトソーシングをすることによって発展をしております。
最近はベラルーシの混乱により、ベラルーシ人のエンジニアもウクライナに集まっており、益々IT人材が集まっている状況であります。
ウクライナ投資
米国のモルガンスタンレーのMSCI指数は世界の国々を「先進国」「新興国」「フロンティア」「スタンドアローン」の4つの市場カテゴリーに分類しています。
ウクライナはどこに属しているかというと、一番格下の「スタンドアローン」のカテゴリーにいます。
「スタンドアローン」は資本移動に規制があって流動性が低く孤立した市場という位置付けであります。
投資に適していないというレッテルが貼られたようなものですね。
MSCI Ukraineやウクライナが含まれる欧州関連のETFも6個くらいはあるようです。
全体的にはぱっとしませんが、IT企業はいくつかあり、ウクライナ発のユニコーン企業としてはGitlab、Grammarly、アマゾンに買収されたRingが有名どころであります。
他にもPreply、Reface、Petcube、Skylumなどこれからユニコーン企業になるかもしれない企業が次から次へと誕生しているようです。
国としては投資対象として地政学的リスクなどもあり難しいですが、企業単体では有望株が多そうですね。
おわりに
ウクライナはポテンシャルは高い国なのですが、イマイチ国がまとまりきれていなのと、隣国ロシアとの対立で思うような力が発揮できていない印象であります。
2014年以来現在進行形でロシアとのハイブリット戦争を継続中であり、ついにはロシア正規軍の侵攻まで起こりそうなので、カントリーリスクはでかいですね。
街並みも綺麗で、なにより美女大国で有名ですので一度は行ってみたいですね。家族と一緒ではなくもちろん一人で(笑)
しかしながら暫くは不安定な状態が続きそうです。
西のウクライナ危機と東の台湾危機は2022年以降重大なリスクになりそうですね。
ではこの辺で、До побачення(ポ ポバチェンニャ)!