¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。
ロシアの侵攻から始まったウクライナ戦争ですが、3ヶ月近くたった今も、激戦が続いております。
西側の武器が揃い始めたウクライナ軍の反転攻勢が続いており、ロシア敗戦も時間の問題でしょう。
プーチン政権のここ数十年の侵略の手口は決まっており、旧ソ連諸国のロシア系又は親ロシア派を反政府に仕立て、現地政府が鎮圧に動き出すと、親ロシア派保護の名目で軍隊を派遣するというものです。
ウクライナでは東部ドンバス地方、クリミア半島でこの手が使われました。
ロシア系住民の多い、バルト3国やカザフスタンも警戒を強めています。
つい最近「メキシコの悲哀」という本を読みました。
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実はメキシコという国は1821年のスペインから独立当時は広大な領土を持つ国でした。
しかし、米国との数度にわたる戦争で国土の半分を割譲させられております。
今や米国屈指の経済力を誇るカリフォルニア州、エンターテインメントの街ラスベガスを擁するネバダ州、近年経済成長の著しく、カウボーイを始めアメリカ文化を代表するテキサス州、その他にもユタ、コロラド、アリゾナ、ニューメキシコ州などは元々メキシコの一部であります。
そのため、ロスアンゼルスやラスベガス、サンフランシスコ、エルパソなどスペイン語由来の地名が多く残っています。
未だに米国に対して根に持つメキシコ人も少なくありません。
特にテキサス併合のやり方は汚く、今のロシアの手口と全く一緒であります。
187年前の手口をロシアは研究していたのかもしれませんね。
米国のテキサス併合
メキシコ独立当時、テキサスは人口希薄な地帯であり、混乱の続く独立間もないメキシコ政府に開発する余力はありませんでした。
そこで米国人達はメキシコ政府の了承の元、開拓移民を入植することになります。
徐々に増え始めた米国人移民はやがて現地メキシコ人を人口で上回り、メキシコ政府の支配に不満を募らせるようになります。
やがて1835年にテキサス革命と呼ばれる、独立戦争が勃発します。
無論テキサス人たちの目標は独立ではなく、将来的な米国への併合であります。
ロシアへの併合を目指すドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国と似てますね。
時のメキシコの権力者であるサンタ・アナ将軍は自ら軍を率いて討伐軍を送ります。
「リメンバーアラモ」で有名なテキサス独立軍が玉砕したアラモ砦の戦いはこの時の出来事であります。
米国は表向き中立を装いますが、寄付や義勇兵を募り支援します。
この辺も東部ドンバスやクリミアに対するロシアの動きと酷似しております。
有利に戦闘を進めていたメキシコ軍ですが、シエスタ(昼休憩)中をテキサス独立軍に襲われ、なんとサンタ・アナ将軍が捕虜になる敗北を喫します。
サンタ・アナ将軍が捕虜になったものの、依然メキシコ軍の戦力が勝っておりましたが、ここでサンタ・アナは自らの救命と引き換えにテキサス独立を認め、軍撤退を指示します。
メキシコの不運は当時の権力者がサンタ・アナ将軍だったこといっても過言ではないでしょう。
自分の命と引き換えに広大な領土を割譲してしまったのです。
1845年にテキサスを併合した米国は、さらなる領土拡大の為、1846年に米墨戦争を引き起こし、米国はメキシコを完膚なきまでに叩き、首都メキシコシティを占領します。
奇しくも再び最高権力者に返り咲いたサンタ・アナは米国に2度の敗北をし、カリフォルニアを含む広大な地域を米国に割譲することになります。
余談ですが、それから20年後にカリフォルニアではゴールドラッシュが起こり、テキサスでは油田が発見されることになり、その後も両地域は米国経済を引っ張る米国を代表する州となっていきます。
メキシコとウクライナの違い
大国からの侵略の手口としては、テキサス独立~米墨戦争、クリミア・ドンバス~ウクライナ戦争までの流れはほぼ一緒であります。
しかも、両国とも比較的新しい独立国で政治も安定していない状態でした。
では何が違ったかというと、指導者と国際社会の支援ではないでしょうか。
自分が捕まるとあっさり敗北を認めてしまうサンタ・アナ将軍と徹底抗戦を掲げるゼレンスキー大統領。
いくらテキサス独立の不当性を訴えても独立を次々承認する列強とドンバスの独立を認めず、強固にウクライナを支援する欧米の存在。
このことは仮にいくらゼレンスキー大統領がロシアの非を訴えたとしても、国際世論がロシアの味方をすれば、とっくの昔にゼレンスキーは捕らえられるか、亡命し南部と東側の大部分はロシアに併合されていたでしょう。
結局大国の思惑次第で小国など、どうにでもなってしまうということであります。
おわりに
フィンランドやスウェーデンのNATO加盟への選択のとおり、大国からの侵略から自国を防衛するには強固な同盟が欠かせません。
中立を守っていれば、攻められないというのはお花畑であります。
もし、当時のメキシコが英国はフランスと同盟関係にあればアメリカもそうやすやすと、テキサス侵略に踏み切れなかったでしょう。
また、不当な侵略を受けるメキシコに対して、国際世論の同情が集まり、列強からの武器支援などがあったならば、米国は今のロシアのように相当苦戦したはずです。
無論、ウクライナがNATOに加盟していたり、米国と同盟関係にあったならば、当然ロシアもうかつに手を出しては来ません。
安全保障にとって、強力な軍事同盟と国際社会の支援は不可欠であります。
そして当然のことながら、国民が自国を守る気概があることが前提であります。
ただ、この辺が我が国の怪しい処でありますね。
いざとなった時の日本人の団結力は凄まじいですが。。。
有事が起こらないことを祈りつつ、有事には万全に備えていかなければなりませんね。
ではこの辺で、アディオス!