株式ブーム潰し?【株主資本主義の転換】

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

またもや、岸田首相による株式市場に対するネガティブ発言が飛び出しました。

なぜ世界的に株価が下落しているタイミングでこのような発言をしてしまうのでしょうか。

「新しい資本主義」の分配政策面に関し、株主利益の最大化を重視する「株主資本主義」の弊害を是正したいと述べたようです。

国民民主党の前原誠司代表代行に「配当金などで株主に過度に資金が流出している」との指摘に対しての回答であります。

富の分配という大事業は確かに政府しか出来ませんが、配当金を減らしたところで、ばら撒けるだけの財源になるのでしょうか。

そもそも配当金なんか減らしてしまったら、株式市場から資金が流出してしまいますね。

岸田首相が転換しようとしている株主資本主義が槍玉に上がっていますが、一体どういうものなのでしょうか。

株主資本主義

米国で主流の考え方であり、簡単にいうと「会社は株主のものであり、株主の利益を最大化するために経営すべし」という考え方であります。

利益追求の為には労働者の雇用や賃金が犠牲にされ、リストラや市場での規制緩和の働きかけなどが肯定されます。

これにより株主は益々富裕になり、そうでない人との経済格差が広がったとされています。

行き過ぎた株主資本主義を是正するために、ステークホルダー資本主義(公益資本主義)という概念が新たに提唱されています。

これは株主だけではなく、顧客、取引先、地域社会など利害関係者(ステークホルダー)全般への貢献を重視しております。

岸田首相は株主資本主義からステークホルダー資本主義への転換を言いたかったのだと思いますが・・・

本当のところはどうなのでしょう。

「市場や競争に全て任せるのではなく官民共同でそういった仕組みを作っていこう」とも言っております。

競争原理を無くすということでしょうか。

ちょっとニュースの記事だけでは結局どうしたいのかニュアンスが分からないですね。

いずれにしてもこれだけ弱っている株式市場に冷や水を浴びせたことは間違いなさそうです。

行き過ぎた株主資本主義の是正は良いと思いますが、この発言はタイミングが悪かったですね。

株式ブーム終了か?

コロナショックから証券口座を開く人が急増し、日本で投資をしている人は人口の21%になるそうです。

特にナスダックが株価を牽引したお蔭か、米国株ブームでありました。

本屋に行けば米国株を特集した本や雑誌がたくさん置いてありました。

お金がジャブジャブの金融相場でしたので、なんでも買えば上がる非常にいい相場でしたね。

私も本格参入が19年の末でしたので、ほぼコロナショックから始めたといってもいいでしょう。

安倍・菅政権も市場に対して、フレンドリーでありましたので株高の追い風になっておりました。

しかし、岸田政権になり、「新しい資本主義」「富の分配」「金融課税」そして今回の「株主資本主義の転換」など株式市場を標的にするような発言が相次いでおります。

それに輪をかけて、米国のインフレ、ウクライナ情勢、FRBの利上げなどによる米国株の下落によって、日経平均も大きく下げております。

軟調な相場が続くと市場参加者が減ったり、損に耐えかねて強制退場する人が増えてきます。

以前知り合った証券マンが言っておりましたが、株のセミナーを開催すると株高の時は大盛況で、株安になると人が集まらなくなるのだそうです。

せっかく株式市場に個人投資家の多くが参加していたのに、このまま株式ブームは次の上昇局面まで一旦終了してしまうのでしょうか。

おわりに

年明けからガラリと変わって悲観的な相場が続いております。

金融相場が終わり業績相場になる過程で、株式市場が冷却するのは理解できますが、そこへわざわざ余計な発言を要人には控えて欲しいですね。

今まで政府主導でNISAやiDecoを作り「貯蓄から投資へ」と国民を煽っていたのですから、岸田政権にも株高政策を引き継いで頂きたいものであります。

企業が配当を減らして、賃金に還元することにより、株価が下落して資金調達ができなくなり、競争力を失い結果として賃金カットにでもなったら、元も子もないですね。

岸田総理の目指す「新しい資本主義」とは一体なんなのでしょう。

まさか社会主義!?

 

ではこの辺で、アディオス!