¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。
ウクライナではプーチンのメンツをかけた東部大攻勢「ドンバスの戦い」が始まっております。
ウクライナ軍はここでも善戦しており、今のところ大きな領土の損失は無い模様であります。
この戦争により日本でもようやく本格的な国防論議が行われつつあります。
まだまだ一国平和主義的なお花畑勢力が根強いですが、政府には強力に推し進めて頂きたいものです。
ただ、今の岸田首相の下ではあまり追い切った政策転換は難しいのかなとも思います。
結局、差し迫った脅威が無い限りこの国の安全保障環境は変わらない気もします。
今回の戦争を機に防衛意識が高まってはいますが、そのまま尻すぼみになってしまう危険性があります。
中国が尖閣諸島をはじめ、南西諸島に侵攻する、又は複数の北朝鮮のミサイルが日本本土に着弾し、国民に死者がでるといった考えたくもない事態が起こってからようやくこの国の防衛は変わるのではと思います。
しかしながらそうなっては遅いですね。
前もって脅威に備えるのが政府の仕事ですが、大東亜戦争に負けてからというもの軍事については考えたくないという一種の思考停止状態を70年以上続けてまいりました。
最近、百田尚樹氏の「日本国紀」を読みました。
賛否両論や事実誤認があり、百田氏の主観も入っていますが、読み物としては非常に面白かったです。
|
読んでいて気になったのが、ペリー提督率いる黒船が来航するまでの幕府の対応が、どうも戦後日本の安全保障環境とそっくりな気がしてならないのであります。
歴史は繰り返すといいますが、このまま無策だといずれ慌てふためくことになるでしょう。
黒船来航前夜の日本
18世紀後半、日本の田沼時代からロシア船を皮切りに欧米の艦船が日本近海に出没し始めます。
欧米船によるゴローニン事件やフェートン号事件などの日本の安全保障を揺るがす事件も起こるようになります。
1825年にはイギリス船による大津浜事件や宝島事件をきっかけに「異国船打払令」が幕府により出されました。
ところが清国がアヘン戦争でイギリスにボロ負けしたことを知った幕府は「異国船打払令」を廃止し、新たに遭難船に限り給与を認める「天保の薪水給与令」を発令します。
異国船に大砲を打ち込めばビビッて逃げていくだろうと高を括っていましたが、アヘン戦争によって西洋の武力に驚いたため、幕府の対応はグダグダになっております。
こうしてペリー来航まで約50年もの間、異国船とトラブルを続けます。
実は幕府は長崎のオランダ商館による「阿蘭陀風説書」により、世界の情勢を把握しており、オランダを通じてペリー来航も1年前から情報は掴んでいたようです。
それにもかかわらず、時の日本政府である江戸幕府は特に何の対策もせず、基本的に無策だったのです。
そこへ1853年6月3日、ついにペリー提督率いるアメリカ太平洋艦隊が浦賀に来航し、15年続く幕末の動乱の幕開けとなるのであります。
普通、50年の長きに渡り、外国船の脅威に晒されているのであれば、国防を強化したり、異国に対する交渉などに力を入れるべきところですが。。。
百田氏の見解によると日本人の「言霊主義」が関係あるのではないかとしています。
日本人は古来より、言葉には霊力があり、発した言葉が現実になるという信仰があります。
「起こって欲しくないこと」や「あってはならない」ことは口にしたり議論したりしてはならいなという心理に縛られているのだそうです。
「縁起が悪い」ということで、幕末日本も異国船にかんして、大した議論もせず放置されていたという見方を氏はしております。
現代日本との類似点
幕府はペリー来航という「Xデー」まで約50年、安全保障対策を放置しておりました。
現代日本も戦後70年以上、安全保障を真剣に議論せず、放置しておりました。
幕府は海外の窓口は長崎のみで、それ以外の港への外国船の来航を認めておらず、当然外国船も幕法に従うものと思っていた節があります。
なにやら憲法9条があるから、戦争に巻き込まれないと思い込んでいる9条信者と共通点がありますね。
江戸後期の日本はロシア船、イギリス船、アメリカ船によるトラブルが頻発しており、現代日本もロシアの領空侵犯、中国の尖閣諸島領海侵犯、北朝鮮による拉致、ミサイル実験など長きに渡り脅威を受け続けております。
そして、幕末日本も現代日本もこれらの脅威に対して、基本的に無策というところもまったく同じであります。
言霊では無いですが、考えたくもないXデーが現代日本にも起こってしまうのでしょうか。
おわりに
Xデーが来るまでに、日本政府としては最悪の事態を想定した国家の防衛を構築して頂きたいものであります。
そうはいっても人間痛い目に会わないと、目が覚めなというのも真理であります。
ウクライナの人たちには気の毒ではありますが、今回の戦争を他山の石として、真剣に取り組んで頂きたいですね。
大事な家族、友人、知人を失ってからでは取り返しがつきません。
ではこの辺で、アディオス!