ウクライナ戦争は長期化する?

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

ウクライナ情勢はついにロシア軍による東部ドンバス地方に対する大攻勢を開始した模様であります。

それに対してウクライナ軍はギリギリ間に合ったとされる米国の重武装兵器で迎え撃っております。

ロシアのというよりプーチンの個人的な事情である5月9日の対独戦勝記念日までの「勝利宣言」の為に、ウクライナの軍民や若いロシア兵が殺し合いを演じております。

子を持つ親として、ウクライナの子供の死者が出たというニュースには心が痛みます。

恐らく5月9日にプーチンは戦闘の勝敗如何に関わらず、とりあえず「勝利宣言」だけはするのではないでしょうか。

または改めてこの日に「宣戦布告」するという観測もあります。

このドンバス決戦は短期間の大規模戦闘となる可能性がありますが、ロシア・ウクライナ間の戦争自体は長期化するとの予想が出始めております。

年内まで続くという予想や、2035年まで大規模から小規模の戦闘を繰り返す泥沼化すと予測する専門家もいます。

私も戦争の長期化は避けられないとの予測であります。

これはプーチンがロシアに君臨し続ける限り、まず間違いないでしょう。

プーチンの性格

戦争の長期化を予想する根拠はプーチンの性格であります。

最近読んだ「プーチンとロシア人」の中に、プーチンの闘争哲学についての記述があります。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

プーチンとロシア人 (産経NF文庫) [ 木村 汎 ]
価格:990円(税込、送料無料) (2022/4/19時点)

楽天で購入

 

 

体の小さかったプーチン少年は、ストリートの喧嘩に負けない為に、ボクシング、サンボ、そして柔道へと行きつきます。

柔道を学んだのは、武道の崇高な精神を学ぶためではなく、体の小さな者が大きな者に打ち勝つことを学ぶ為であります。

プーチンはストリートファイトを通じて、次の3つの教訓を得ます。

第一 「力の強い者だけが勝ち残る」

第二 「何が何でも勝とうという意思が肝要である」

第三 「闘う場合は最後までとことん戦わなければならない」

これを見ればプーチンが勝つまで戦争をやり遂げるのが納得できますね。

そして、勝つためには手段を択ばないでしょう。

核という手段も勝利が得られるとすれば躊躇なく使用する可能性は極めて高いといえます。

プーチンの政治信念である「弱い者は打たれる」という言葉は、NATOに対して虚勢を張り続け自国を強国に見せるやり方や、自国より弱いと考える、ジョージアやシリア、ウクライナに対する行いを見ても明らかであります。

チェチェン独立派のテロである、モスクワ劇場占拠事件、ベスラン学校占拠事件に対するプーチンの対応も背筋が凍るものがあります。

全くテロリストと話し合いは行わず、人質の犠牲もお構いなしに治安部隊を突入させています。

人質の安全よりもテロリストに対する「徹底的な闘争」を優先させております。

自国民に対してもこうなのですから、ウクライナの民間人に対しての配慮があるわけが無いですね。

因みにロシア人の性格も「タタールの軛」と呼ばれるモンゴル帝国に支配された経験と、厳しい自然環境に暮らす「ロシア人的な諦め」の性格から、強い指導者を求める傾向があるとされています。

あれだけ悪逆非道の限りを尽くした独裁者スターリンの信奉者が未だに多くいるそうです。

プーチンもそこをよく熟知しており、「強い指導者」を演じ続け、国民もそれを支持しております。

戦争が長期化するのは「プーチンは敗北出来ない」というただ一点、プーチンの都合があるからであります。

戦争長期化後の世界は?

戦争後の世界又は戦争が常態化する世界はどうなるか。

様々な専門家が既に予測を始めております。

まず間違いないのはプーチン政権が続く限り、制裁は解除されずロシアは世界から孤立します。

天然資源と宇宙産業、そして今回の戦争でセールス上の打撃を受けた軍需産業しかないロシアは、危険な核弾頭を多数保有する農業中心の北朝鮮のような貧乏国になる可能性があります。

そうなると、富裕層や優秀な人材が流出し益々長期的にロシアは低迷していきます。

西側諸国はロシアとの経済関係を断然し、第二次冷戦ともいわれるバルト三国からウクライナにかけて新たな「鉄のカーテン」の状況が現出します。

この第二次冷戦には同じ強権国家である中国もロシア側とされ、中露の結びつきが強まるか、西側諸国との関係を中国が選び態度を軟化させるかどちらかの選択になるでしょう。

とにかく「安いところから買う、作る」といった行き過ぎたグローバリズムは見直され、非友好国、人権侵害国、独裁・強権国家、つまりは民主主義が根付いていない国々との関係は、経済安全保障上好ましくないとされ、多少コスト増が見込まれてもサプライチェーンの再構築がされると思われます。

中国が西側諸国との対立路線を続けた場合は外資が中国から撤退することにより、「世界の工場」としての役割は終焉し、硬直した政治体制や急激な少子高齢化のため衰退していくのではないでしょうか。

代わって英語が通じIT人材も豊富なインドに外資が集中し、「世界の工場」となる可能性があります。

日本はどうなるかというと、ロシア、中国、北朝鮮という三正面から常に軍事的な圧力を受け続けることになりそうですね。。。

おわりに

2022年2月24日を境に世界は一変してしまいました。

仮にロシアの勝利を許してしまいますと、世界は法の秩序から力が支配する世界に代わってしまいます。

ロシアによるクリミア半島併合にさいし、時のドイツ首相でプーチンと仲の良かったメルケルは激怒してこんなフレーズを述べています。

「今は21世紀である。それにもかかわらずモスクワは19世紀や20世紀の方法を用いて、非合法な振る舞いをおこなっている。すなわち、法の支配ではなく、ジャングルの掟に従っている」

急にジャングルの掟が支配する弱肉強食の世界に急に放り出されたような感覚ですね。

太平の世でまどろんでいた、幕末日本が列強という肉食動物に狙われた時と同じような状況下であります。

列強の代わりに周辺国が肉食動物で長らく草食動物であった日本を狙っています。

ここらでドイツを見習って日本も目覚める時であります。

そうでなければ取り返しのつかないことになりそうです。

 

ではこの辺で、アディオス!