お金が腐る?【自由貨幣】

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

コロナ禍により、各国政府は特別給付金や休業補償、手厚い失業保険など巨額の財政出動をしております。

我が国も国民一人当たり、10万円の給付が昨年ありました。

我が家もありがたく頂き、貯蓄に回しました。

我が家だけでなく、多くの方が貯蓄に回したと思います。

調査によると7割もの人が貯蓄に回したといいます。

ばらまいたお金の3割しか市場に出回ってないということになります。

自分も貯蓄しといてなんですが、それでは経済が回りませんね。

日本人はバブル崩壊以降の30年のデフレ経済により、元々貯蓄好きの国民性にさらに磨きがかかり、さらにコロナ禍により貯蓄が加速し、今では個人貯蓄は1900兆円あるといわれています。

まさに「キャッシュ・イズ・キング(現金は王様)」であります。

この巨額の個人資産の1%でも株式市場に流れ込んだだけで相当なインパクトになります。

また、経済活性化の為にも、溜まりに溜まったお金を循環する方法を何か考えないといけないですね。

そこで、考えられるのが、自由貨幣という通貨制度であります。

「減価するお金」またの名を「腐るお金」とも呼ばれています。

この自由貨幣とは一体何なのか。

今回もざっくり簡単に調べてみました。

自由貨幣理論

シルビオ・ゲゼルというドイツの実業家・思想家が提唱したもので、一般の財物が時間の経過と共に価値が下がるのに対し、貨幣の価値がインフレ時を除いて、不変であることが貧富の差を拡大させるとしています。

実際のやり方としては、ある一定期間を迎えると、スタンプなどを購入してお札に貼ることにより、お札の価値を保つ方法などがある。

例えば1万円札があったとして、一定期間を迎えると、50円のスタンプを購入してお札に貼ってからでないと1万円として使えません。

スタンプを貼らないと、結果的に時間の経過に伴い1万円札が9950円の価値になるというものです。

価値が減るとなると、いち早く使おうという心理になり、消費が促進されます。

デフレを防ぎ、消費を活性化させ景気拡大に大いに貢献しそうですね。

その反面貯蓄する意欲を失わせる欠点はあります。。。

では実際に導入された例を見ていきましょう。

ヴェルグルの奇跡

世界大恐慌の真っただ中の1932年から1933年にかけて、オーストリアにあるヴェルグルという小さな町では、シルビオ・ゲゼルの提唱した自由貨幣を地域通貨として導入しました。

当時の町長ミヒャエル・ウンターグッゲンベルガーは銀行からオーストリア・シリングを自ら借入れ、「労働証明書」という名前のついた公債に転換し役所に務める者たちの給与として支払いました。

この労働証明書は月初に額面の1%に相当するスタンプを貼らないと使えず、毎月1%ずつ減価される地域通貨としての役割を担うものです。

毎月1%減価するので、もらった人は当然、地域通貨を使える町の中での消費に回します。

その結果、ヴェルグ内で巨額の資金が回り、いち早く恐慌から脱し完全雇用を達成し、地域経済の立て直しに成功します。

のちに「ヴェルグの奇跡」呼ばれ、著名な経済学者からも称賛されております。

キームガウアー

引用元:ウィキペディア

 

別名「世界一サスティナブルな通貨」「腐るお金」とも呼ばれています。

ドイツ・バイエルン州の一地域で流通しており、高校の教師が生徒達と共に2003年に立ち上げております。

具体的な仕組みは割愛しますが、前述のヴェルグと同様にキームガウアー紙幣の有効性を維持するためには、3ヶ月毎に額面の2%相当のスタンプを購入する必要があります。

これにより、地域の地産地消を推進し、大成功を収めているようです。

同様にスイスでもヴィア(WIR)という地域通貨を導入して成功しているようです。

まとめ

日本でも地域振興券やGOTOトラベルクーポンなど、腐るお金と似たような性質の期間限定の地域通貨と同様のものがあります。

貯金の虫が多い国民性の日本で、自由貨幣を導入すると猛反発されると思いきや、案外すんなり受け入れられるような気もしますね。

いっそのこと給与の半分を自由貨幣にしてしまえば、とんでもなく内需が爆発するかもしれません。

そうなれば株式市場にも資金が流れ込み、日経平均4万円越えがあるかも!?

 

ではこの辺で、アディオス!