¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。
ウクライナ情勢はクリミア大橋爆破から、ロシアによる無差別ミサイル攻撃を経ても、ウクライナ軍の優勢は変わりません。
領土完全奪還には相当な時間はかかると思いますが、ウクライナの勝利は間違いなさそうです。
プーチンは判断をミスし、人生最後の博打に失敗しました。
判断ミスの原因は2014年のロシアによるクリミア併合があまりにも鮮やかに成功し過ぎたことによるでしょう。
そして、当時のウクライナ軍は弱すぎであり、ロシアに寝返った者もいます。
この成功体験が、ウクライナは弱いという思い込みの原因であり、現在の苦戦を招いています。
今回の侵略のロシアの言い分は、歴史を見るとクリミアと新たに併合を宣言した4州はロシア帝国時代にオスマン帝国やクリミア・ハン国から獲得した領土であることが根拠の一部であります。
当時はノヴォロシア(新ロシア)と呼ばれるロシア帝国領となります。
ソ連時代にはロシア系住民が多く居住するクリミア半島が当時のフルシチョフ書記長により、ウクライナへ帰属が変更されますが、当時はソ連という国家の中の話であり、特に問題にはなっていません。
ウクライナ共和国という領域はソ連時代に作られたということで、ロシア人達はウクライナはソ連が作ったもので、元々のウクライナ人などは存在しないという考えの人も多く、ウクライナが独立して30年たった現在もロシアの一地方の扱いでありました。
元々ロシア帝国領だったから、ロシアのものだという論法がまかり通れば、国際秩序は崩壊しますので、理不尽ではありますが、ロシア人の頭の中ではこういう理論なのでしょう。
一方でウクライナはと言うと、独立当初から、あまりパッとせず、腐敗がはびこり、地方にはロシアのオリガルヒ(新興財閥)のような地方ボスが君臨し、民族意識も希薄で東部にロシアにシンパシーを感じる人たちも多く抱えるまとまりのない失敗国家のような様相だったようです。
言語もウクライナ語よりはロシア語が優勢な感じだったのではないでしょうか。
時の政権も親露と親欧米派により混乱が続き、ロシアに付け入る隙を見せます。
政治家を始めとして、当時油価の高騰で羽振りの良かったロシアへの協力者やスパイもたくさんいたことでしょう。
ただ、2014年のクリミア併合とドンバス紛争を機にウクライナは欧米との関係を深め、軍や対ロシア防諜を強化します。
そして、今年のウクライナ侵略によって、東西に分裂気味だったウクライナが一つにまとまり始めているのではないでしょうか。
元々ロシア語を話す住民の多いウクライナ東部ですが、ロシア軍の残虐行為が多数行われたことにより、民心がロシアから離れることになったでしょう。
「ロシア語を聞くと、ゾッとする」という住民も居ることから、戦後、ロシア語離れが加速するかもしれません。
今までロシアに対して、敵愾心を持っていなかったウクライナ人も、ロシアを一生許すことはないでしょう。
ロシアの侵略により、今まであやふやだったウクライナという国家が、反露のウクライナ共和国として新たに誕生しました。
この先何百年にもわたって、ロシアとウクライナは分かち合えることは無くなり、「親露のウクライナ」は永久に消滅します。
ロシアという不倶戴天の敵の出現によって、ウクライナはウクライナ人の統合に成功しました。
言わば皮肉なことにプーチンがウクライナという国を最後に纏め挙げ、ウクライナ国家の国造りに協力したとも言えるでしょう。
プーチンが当初思い描いた図から、すべてのことが裏目裏目に出ているようです。
カザフスタンのアスタナで開かれた会議で記者から「軍事作戦に後悔しているか?」と聞かれたプーチンは、「後悔はしていないが不愉快だ」と強がっていましたが、本音は後悔しかしていないでしょう。
ではこの辺で、アディオス!