隣の国の尿素水騒動

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

あまり日本では話題になっていませんが、お隣の韓国では尿素水の不足による騒動が起きております。

そもそも尿素水というのもあまり聞き慣れない液体ですが、これが無いだけでなにをそんなに大騒ぎしているのでしょうか。

日本は不足に無縁で韓国だけ大変な騒ぎになっているようで、韓国経済を揺るがしかねない事態となっているようであります。

尿素水って名前が凄いですが、なんとも臭いそうな液体であります。

一体なにに必要で、なぜこんなにお隣は大騒ぎしているのでしょうか。

今回は時事ネタということで、この尿素水不足騒動の紹介であります。

尿素水(アドブルー)とは?

排出ガスをキレイにするために必要不可欠な高品位尿素水で常温で保存できる、無色・無臭の液体です。

アンモニア臭でもするかと思ったら、無臭のようですね。

一部のディーゼルエンジン車に搭載されている「尿素SCRシステム」で使用します。

「尿素SCRシステム」は有害な排出ガスを浄化するシステムで、窒素酸化物という有害な物質と化学反応を起こして無害化しています。

少々難しいですが、要はディーゼル車の排ガスを浄化するために必要ということであります。

尿素水は定期的な補充が必要で、無くなった場合一度エンジンを切ると再始動できなくなります。

つまり尿素水を補充しない限り車が動かなくなるということであります。

尿素水不足でどうなる?

韓国ではディーゼル車の割合が高く、乗用車、貨物車など215万台が尿素水の必要なディーゼル車となっております。

つまり尿素水が不足すると、トラックなどが動かなくなり物流がストップしてしまいます。

経済の血管ともいえる物流がストップすると韓国経済に大きな打撃を与えることになります。

韓国政府は必死に尿素水確保に動いており、韓国空軍まで動員しオーストラリアから緊急空輸までしております。

しかし、この空輸は尿素水2万7000リットル約261万円分を運びましたが、軍輸送機の往復の航空燃料に約965万円もかかっているようで、費用対効果に疑問を持たれております。

近くオーストラリアやベトナムからの輸入も始まる為、騒動は収束する方向ではあるようです。

なぜ不足に?

そもそもなぜこんな騒動に発展してしまったのでしょう。

ディーゼル車は他の国でも走っていますが、韓国のみ大騒動となりました。

原因はまず韓国のディーゼル車比率の高さであります。

そして、尿素の大部分を輸入に頼っていることが一番大きな原因になります。

日本などは尿素を国内で生産しておりますが、韓国では大部分を中国からの輸入に頼っています。

しかも、その比率はなんと97%!

この異常な依存度の高さが、今回の騒動の一旦であります。

事の発端は、今年10月より中国が輸出の通関作業をストップしたため、韓国へ尿素が入らなくなった為でありますが、理由は経済制裁などではないようです。

豪州産石炭の不足による中国の尿素生産の減少や、脱炭素政策によることも尿素生産の減少を招いたようです。

いずれにせよ中国国内の需要に振り分けられ、韓国に輸出する分が無くなってしまったということのようです。

通関作業は再開されたようですが、未だ輸出量などは不透明の様です。

そもそも韓国国内でもサムスン電子が生産していたようですが、利益が出ないということで撤退してしまったようです。

こういった戦略物質を外国、特に中国のような極めて政治的な国に過度に依存する危険性がよく分かりますね。

まとめ

会社経営や投資でもそうですが、一社の顧客の比率が極端に高かったり、株の集中投資などは危険だといわれますが、この事例がよく物語っております。

やはり程よい分散が正義であり、セオリーなのですね。

「卵は一つの籠に盛るな」であります。

これを機に韓国も中国だけでなく、輸入先を分散させることでしょう。

日本も国内生産していますので、韓国に輸出することは可能だと思います。

しかし、フッ化水素の輸出規制のこともあり、韓国から頭を下げて日本にお願いするなんてことは死んでもしないでしょうね(笑)

 

ではこの辺で、アディオス!