不屈過ぎる男【撃墜王ハルトマン】

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

以前、投資本を読み漁っていた時に、検索していたサイトのお勧めの中にこんな本がありました。

「不屈の鉄十字エース―撃墜王エーリッヒ・ハルトマンの半生」というとある第二次世界大戦中のドイツ空軍の撃墜王の話であります。

長らく読みたいと思っていたものの、なかなか機会が無かったのですが、先日図書館で偶然にも見つけましたので、即借りしました。

1人のドイツ人の半生として非常に面白い読み物であります。

さて投資と撃墜王ハルトマンが一体どう結びつくのでしょうか。

世界最多撃墜記録保持者

ざっくり解説すると、ハルトマンは若干20歳を少し過ぎたばかりの年齢にも拘らず、第二次世界大戦時にソ連空軍相手に無双し、352機の世界最多の撃墜を記録した最強の撃墜王であります。

大戦末期には、性能的に劣る機体を駆って、第二次世界大戦中最強の戦闘機と言われた、アメリカ陸軍のP51Dムスタングも撃墜したとしています。

敵からはその愛機の色から「黒い悪魔」として恐れられていましたが、風貌は童顔で、味方からは「坊や」もしくは「金髪の騎士」とあだ名されております。

空戦スタイルはもちろん頭脳派かつ、仲間を大事にし、撃墜することよりも僚機に戦死者を出さないことを誇りとしているような男であります。

本書の前半部分はハルトマンの戦闘の記録でありますが、その活躍ぶりは痛快の一言であります。

空の戦いは血なまぐささが少くないので、戦争物とあまり意識せずに読むことが出来ます。

ソ連抑留10年

ドイツが戦争に負けると、シベリアに抑留された日本兵同様、ドイツ兵たちもソ連に抑留されます。

ハルトマンは米国に降伏したのですが、連合国間の話し合いによりソ連に引き渡されます。

戦後にソ連兵がドイツ軍人の家族を暴行するシーンがあり、ドイツ兵たちはそれを黙って見ていることしか出来なかったそうです。

戦争に負ける、もしくは敵に占領されるということはどういうことか改めて思い知らされます。

「ウクライナは降伏しろ」といっている人たちにぜひ読ませたい件であります。

ハルトマンはソ連により、戦争犯罪人として25年の重労働の刑を言い渡されます。

これにより10年半に及ぶソ連抑留生活が始まるのですが、ここからがハルトマンの真骨頂なのであります。

ハルトマンはソ連当局からの執拗な脅迫を受け、ソ連への協力を求められます。

しかし、過酷な重労働やひどい環境、ソ連当局の圧迫を受けながらもソ連への協力を拒み続けます。

また、ハンガーストライキを指導するなど、他の抑留者からもリーダー的扱いを受けるに至ります。

過酷な抑留生活では、元憲兵や将校などのどんなに剛の者でも、簡単にソ連の軍門に陥ったそうです。

確かに飢えと寒さと過酷な労働の中で、脅しや誘惑を巧みに使われたら、簡単に人はいいなりになってしまいますね。

そんな中でもハルトマンは脅しや誘惑に屈せず、己を突きとおしたということです。

その原動力は故郷ドイツに残した、奥さんの存在だったそうです。

ハルトマンは戦争中に結婚しており、戦後そのまま抑留されてしまいましたが、その奥さんに逢うことを心の支えとして、ソ連への協力を拒み続けたのであります。

希望というものが如何に人間にとって大事かということが分かりますね。

10年半後の1955年、ハルトマンは釈放され、当時の西ドイツにいた奥さんの元へ帰還します。

その後、西ドイツ空軍に入隊し、同空軍で少将で引退し、1993年に他界しております。

おわりに

結局、投資と何の関係があるかというと、ハルトマンが後年、投資で儲けたわけでは無いので、不屈の精神を見習えということなのでしょう。

株の「か」の字も出てきませんでしたが、読み物として抜群に面白い半生記であります。

その信念を曲げない姿勢から、新生西ドイツ空軍では上層部の受けが悪く、出世はしませんでしたが、強い信念を持つことの大切さを考えされてくれる一冊となっております。

投資に役立つかといえば、どうでしょう(笑)

しかし、超お勧めの一冊であります。

 

ではこの辺で、アディオス!