¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。
ここ数日世間を騒がしているウクライナ情勢ですが、予断を許さない状況が続いています。
一部ロシア軍部隊を軍事演習後に基地に帰還させると露国防省が発表し、それを好感し株価が回復しております。
ウクライナ大統領は2月16日にロシア軍が侵攻を開始すると言ってみたり、情報が錯綜しております。
ロシアの目的はウクライナのNATO加盟を阻止すること。
それに対してウクライナはNATO加盟を諦めていません。
話は平行線を辿っているので、落としどころが全く分かりませんね。
ロシアも振り上げた拳をなんの成果もないまま振り下ろすとは考えられません。
かといってこれだけの軍部隊を集中させていれば、経費も嵩むだけですので、何らかの行動を取らねばなりません。
プーチン大統領の胸三寸ですべてが決まりますが、一体どう考えているのでしょう。
習近平の願いむなしく、五輪開催中に行動を起こすのでしょうか。
3つのシナリオ
考えられるロシアの行動は主に3つになります。
全面戦争
全世界が懸念しているのが、ロシア軍によるウクライナ全面侵攻であります。
東西南北4方向(ロシア・ウクライナ国境、ウクライナ・ベラルーシ国境、クリミア、沿ドニエストル)から一気に首都キエフを目指し、ゼレンスキー大統領を失脚させ、親露政権を樹立します。
強力なロシア軍に攻められては、ウクライナ軍は歯が立たないでしょう。
ロシア軍は目的を容易に達成することが出来ますが、代償として国際社会からの孤立、西側諸国からの経済制裁、なによりウクライナ人を永久に反ロシアに追いやるでしょう。
ウクライナが親西欧と親露で東西に分裂するという見方をする人もいます。
そして、考えられる材料として欧州と米国の軍事介入があります。
こうなると戦火は一気に拡大して、第三次世界大戦へ発展する可能性すらあります。
サラエボでオーストリア皇太子が暗殺された時、これが未曾有の世界大戦に発展すると考えた人は誰もいなかったといわれています。
何が導火線でこの先どうなるかは、誰にも分かりません。
限定的戦争
一番現実味があるのが、ハイブリット戦争を含めた限定的な侵攻であります。
特に親露派支配地域のルガンスク、ドネツク両人民共和国のロシア系住民を助けるという名目で直接軍事介入するか、または親露派勢力を間接的に支援するのか。
ロシア政府はこの地域の住民にロシアのパスポートを発行して、ロシア市民としているようです。
これをパスポーティゼーションといい、ロシア人保護の大義名分として使用されています。
こういう行為を目の当たりにすると、外国人参政権がいかに危ういものかよく分かります。
クリミアの時と同様、両人民共和国を住民投票の上、「民意」によってロシアに併合するといったことも考えられますね。
戦争回避
一番良いのが何事もなく戦争を回避することなのですが、ロシアで政変が起きてプーチン大統領が失脚する、またはウクライナがNATO加盟を取り下げるということがあれば、一時的に危機は収まります。
欧米やウクライナの譲歩というのが、ありえそうな落としどころですね。
特にバイデン大統領はプーチン大統領に足元を見られて、舐められているように思います。
こういう時は生真面目なバイデンさんではなく、何を仕出かすか分からないトランプのような人がいいのかもしれません。
一旦は矛を収めてもロシアにとってはウクライナをなんとしても自国の勢力圏に取り込みたいので、この先も同じようなことが起こりうる可能性は充分あります。
そうなるとウクライナが安全保障を求めてNATO加盟を諦めることは出来ないでしょう。
なんだか、ロシアという元彼ストーカーに一生付きまとわれている、ウクライナ美女といった構図のようですね。
ロシア侵攻の影響
米ソの冷戦が終わってから、米国は世界の警察官となっておりました。
湾岸戦争の時は国際秩序を乱したイラクという悪者を米国を中心とした同盟国側が懲らしめるという構図でありました。
オバマ元大統領が世界の警察を辞めるといってから、米国の睨みが効かなくなっております。
仮にロシアがウクライナに侵攻しても、米国が何もアクションを起こさなければ、力による現状打破を考える国々に間違ったメッセージを送ることになります。
特に中国などは、他国へ武力侵攻しても米国は軍事介入しないと受け取るでしょう。
台湾や尖閣、南西諸島、南シナ海など、中国が狙っている領土に対して、本格的に行動に移す引き金にもなりかねません。
我が国にとってもウクライナ危機は決して対岸の火事ではないですね。
おわりに
ロシアとウクライナの関係は昔から腐れ縁で、元々ロシア人やウクライナ人の起源がウクライナにあったキエフ公国とされています。
長らくロシア帝国、ソ連などで同じ国の国民だったこともあり、ウクライナ人のほとんどはウクライナ語とロシア語のバイリンガルなんだそうです。
兄弟民族といってもいいような間柄でしたが、今や近親憎悪に近い関係になってしまいました。
この問題はロシアの国力が弱まらない限り、未来永劫続くでしょう。
日本も北方領土問題を抱えてますので、平気で武力を使い威嚇するような国と話し合いで解決しようなどとは思わないことですね。
どうも未だに一部の日本人は問題を話し合いで解決できると思っている脳内お花畑の人がまだまだいますが、ロシアや中国がやっていることが国際世界の現実であります。
それにしても、おかげで株価はボラティリティが高く、目が離せません。
一日でも早く落ち着いて欲しいものであります。
ではこの辺で、アディオス!