新興国を襲う電力不足の正体とは?

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

日経平均が一時1000円近くの大幅下落となりました。

高橋ダンさんをはじめとする投資系Youtuber達は岸田政権による政治リスクであるとしています。

また、OPECプラスが原油増産を見送ったことにより原油が高騰したことも一因とされています。

この原油価格の高騰はコロナから回復しつつあった需要に対し冷や水をかける恐れが出てきました。

原油だけでなく天然ガス、石炭も高騰しており、これから冬にかけて需給のひっ迫が懸念されています。

ここにきて中国やインドなどの新興国で電力不足による世界的なサプライチェーンに大きな影響が出ることが懸念されています。

相次いで電力不足による工場の操業停止に見舞われております。

一体なぜこのようなことになってしまっているのでしょうか。

石炭火力発電に頼る新興国

石炭は個人的にオワコンのエネルギーと思っておりましたが、意外や意外わりと世界で使われているんですね。

石炭は世界全体のエネルギー比率で約38%を占めています。

日本でも30%以上を石炭火力に頼っています。

特にアジア・太平洋地域の国々は石炭火力に依存する国が多く、中国は60%以上、インドは70%以上を石炭に依存しています。

結論として、石炭価格の高騰により火力発電所の稼働率低下が電力不足の原因とされています。

もう電力不足原因の答えが出てしまいましたね。

中国は世界1位、インドは2位の石炭輸入大国であります。

両国は大気汚染を助長する石炭火力比率を下げるべく太陽光と風力発電を大規模に展開する計画ではありますが、現在はまだまだ石炭が主力であります。

中国の事情

習近平指導部は二酸化炭素(CO2)排出量削減目標達成を掲げており、これが電力不足をさらに加速させているという見方もされております。

なにやら中国の電力不足は政治的理由も帯びてきております。

習近平指導部から割り当てられた省エネ目標があり、達成できない省は名指しで警告されるそうな。

警告された省の多くが供給制限を打ち出しているといわれています。

さらに石炭不足に拍車をかけているのがオーストラリア産石炭の輸入禁止であります。

オーストラリアへのいじめの為に取った措置が思わぬところで自分の首を絞めております。

インドの事情

インドではまだ電力停止などは起こっていませんが、電力危機は日に日に高まっているようです。

既に石炭備蓄が約半分の火力発電所で閾値を割っており、インド政府は石炭確保に躍起になっております。

しかしながら、天然ガス高騰の煽りを受けた欧米各国が代替としての需要を増やしております。

何より前述の中国が石炭の確保を急いでおり、さらなる価格高騰が予測されています。

暫くは思うような量を確保できない状態が続くものと思われます。

おわりに

日本でも東日本大震災以降、石炭火力発電の比重が増えましたので、対岸の火事ではありません。

流石に電力供給停止とはならないとは思いますが、節電要請はありそうですね。

これから寒い季節を迎え電力消費が増える時期でのエネルギー危機は経済だけでなく、直接個人の生活も直撃しかねません。

ワクチン接種率が高くなり日本ではコロナ観戦者が激減しております。

経口でのコロナ治療薬完成のニュースもあり、これから経済活動再開というところでの、エネルギー不足。

OPECプラスや資源国には自国の利益だけでなく、世界経済全体を俯瞰して考えて頂きたいものであります。

 

ではこの辺で、アディオス!