¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。
このところ、お隣中国の共産党政権による経済への締め付けが著しいですね。
ハイテク企業に対する締め付けの他、教育分野へメスを入れたのは衝撃でした。
改革開放から続くやみくもに経済成長を推進する「先富論」から方向転換して、多少経済成長を犠牲にしても、国内の締め付けと統制を強めようとしているのでしょうか。
特に中国の急激な少々高齢化は、共産党政権に重く受け止められ、3人まで子供を持つことを認めるに至りました。
さらに、人口減少に歯止めをかけるべく思い切った政策に舵を切りました。
冒頭でも記述した教育分野への介入であります。
双減政策
今年7月突如、中国政府は小中学生の宿題と学習塾を減らす教育改革「双減(二つの軽減)」を打ち出しました。
この通知により中国学習塾大手やオンライン教育大手の株価は軒並み大暴落してしまいました。
お蔭で中国関連が40%を占める新興国ETFのVWOはこのところ軟調であります。
学習塾に対して「利益を出していはいけない」という方針ですが、中国政府でなければ出来ない芸当であります。
宿題と塾が無くなれば、子供たちは喜びそうではありますが。。。
中国政府としては少子化の元凶が過熱気味の子供の教育費ということだそうで槍玉にあがったようです。
中国人は一人っ子に対して、夫婦共働きで稼いだお金の大半を教育費につぎ込むスタイルですので、とてものことで2人、3人と子供を持つ余裕はないでしょう。
中国版ゆとり教育と呼ばれるこの政策、日本でもゆとり教育をして失敗した経験があるので、果たして良いのでしょうか。
中国がここまで国際競争力を高めることが出来たのも、熾烈は競争によってもたらされているとは思うのですが。
中国版ゆとり教育の答えは2040年頃判明するのでしょう。
教育の統制
もう一つの狙いが、教育界における民間と外資の完全なる排除だそうです。
中国共産党の考えそうなことですね。
経済発展によってタガが外れ始めた人民を根本から統制し直したいということの様です。
学校教育の現場は共産党イデオロギーを洗脳する重要な教育機関となっています。
そのような大事な洗脳期間中に余計な民間や外資の介入は中国当局としても避けたいというのが本音の様です。
上に政策あり、下に対策あり
中国では昔から、お上には逆らわずに、抜け穴を使って上手くやり抜くという人民の知恵があります。
これだけの競争社会で横一列で塾や宿題を失くした処で、抜け駆けして子供に勉強させる親もいるでしょう。
特に富裕層は素直に従わないのではないでしょうか。
これから家庭教師の需要が増えるという予想もありますね。
富裕層とそうでない層の教育格差も開いていくかもしれません。
これからの中国では教育ビジネスは闇にもぐり非合法ビジネス化するのでしょうか(笑)
闇学習塾や裏社会で流通する闇教材など、中国黒社会(マフィア)が取り仕切る世界になってしまったりして。
教材が末端価格で取引されたり、家庭教師が反社会的職業とされ取り締まりの対象となるとか、なんてことになったら不謹慎ですが、もはやコントの世界です(笑)
結局、双減政策を打ち出した処で、教育を求める親と子がいる限り、中途半端に終わるのではないかと私は思いますね。
おわりに
私は中国株に直接投資をしていませんので、ここのところの中国政府の動きによる株価の影響をほとんど受けてはいません。
しかし、これだけ中国経済が世界に与える影響力が大きくなった現在、「通知」だけで有無を言わさず実行する中国政府の強権によって、株価の変動リスクが今後も起こりうる同国のカントリーリスクを今回はいやがおうにも露呈した形になりました。
中国共産党にとっては経済成長よりは政権の持続につながる自国の安定がなにより第一ですので、暫くは国内の人民統制に目を向けるかもしれませんね。
なぜならば、共産党政権の敵はアメリカでも日本でもなく、中国人民だからであります。
ではこの辺で、アディオス!