世界の姿を正しく見る?【ファクトフルネス】

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

2020年のベストセラー「ファクトフルネス」を読んでみました。

 

とくに興味をひかれていたわけでは無かったのですが、知識人たちがよく本書を引き合いに出してコメントしていたので、試しに読んでみるかという程度で手に取ってみました。

ビル・ゲイツが2018年に大学を卒業した学生のうち、本書を希望した人全員にプレゼントしたことでも有名であります。

内容はデータや事実に基づき、思い込みによる誤解を失くし、世界を正しく見ようというもの。

世の中の常識は実は思い込み、または思い込まされているのであって、常識を疑ってみようというのが趣旨であります。

本書のいっている思い込みはなにやら詐欺の手法にも通ずるものがありますな。

てなわけで今回はファクトフルネスを感想を混じえてざっくり簡単解説します。

ファクトフルネスとは

突然ですが、問題です。

世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?

A 約2倍になった

 

B あまり変わっていない

 

C 半分になった

思い込みの常識からすると、発展途上国の人口は爆増しているので、Aの2倍になったと回答する人も多いと思います。

私もそう思っていました。

正解はCの半分になったです。

実は世界は着実に豊かになっているようです。

また本書には載っていませんでしたが、クジラの頭数もファクトフルネスに当てはまるのではないでしょうか。

調査捕鯨のデータによりクジラの頭数が増えていることがわかっているのにも関わらず、反捕鯨国や反捕鯨団体が大騒ぎしていますので、あたかもクジラは絶滅寸前のようなイメージを植え付けられています。

高齢化問題でも、高齢者が際限なく増えていく印象がありますが、そもそもいずれ高齢者になる子供の数が減っていますので、必然的に高齢者になる人も減ります。

このようにメディアや、政治団体、ある特定の利益団体の誘導や印象操作により、思い込まされていることが多数あります。

こうした思い込みは人々の本能からくるものであり、ファクトフルネスを取り入れることにより、思い込みから脱却して、正しく恐れ、何が希望かを見極めることが出来るようになるというのが、本書の趣旨であります。

ではその人々の思い込みとは一体何でしょうか。

10の思い込み

本書では10の思い込み本能を挙げています。

1.分析本能

世界は分断されているという思い込み。

南北問題や貧富の格差などカテゴライズして対立軸をつくり物事を分析しがち。

2.ネガティブ本能

世の中はどんどん悪くなっているという思い込み。

人はネガティブなニュースに反応しやすいのです。

「昔は良かった」は何の根拠もありません。

3.直線本能

データは常に右肩上がりに直線的に推移するという思い込み。

実際のデータはいろいろな形になる。

4.恐怖本能

特に何でもないことを、恐ろしいと考える思い込み。

いくら数字は正しいとはいっても怖い物は怖いですよね。。。

仮に福島原発周辺の放射線量が自然界と同等であるデータがあっても、そこに住めといわれたら、躊躇してしまいますね。

5.過大視本能

目の前の数字が一番重要という思い込み。

1つの数字に囚われず、比較するなどして、物事をとらえる必要があります。

6.パターン化本能

ひとつの例にすべてがあてはまるという思い込み。

グループ分けをすると、深堀する必要がなくなるので、「これはこうだからこうだ」と短絡的に考えてしまいます。

各民族に対するステレオタイプなどはこれに当てはまるのではないでしょうか。

7.宿命本能

すべてはあらかじめ決まっているという思い込み。

変化を捉えられない人が陥る思考です。

実際はゆっくりでも世の中は常に変化しております。

8.単純化本能

世界はひとつの切り口で理解できるという思い込み。

専門家が全ての問題を解決できるわけでは無いということです。

9.犯人探し本能

だれかを責めれば物事は解決するという思い込み。

スケープゴートを作ってしまうのが一番手っ取り早い方法ですが、何の問題解決にはなりませんね。

10.焦り本能

いますぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み

希少性の罠ともいいますが、人は焦らすことで、即行動に移させることができます。

不安をある言葉などには注意することであります。

 

こうしてみると、大衆を扇動する政治家や革命家、又はマーケターが使いそうな手段ですね。

詐欺師もよく使いそうであります。

特に4と10辺りは詐欺師以外でもセールスに多用されています。

 

まとめ

本書を読むと分かっているつもりであったものが、いかに思い込みだったかということがよく分かります。

自分でいうのもなんですが、結構世界情勢に関しては物知りな方だと思っていましたが、どうやら大半が思い込みだったようです(笑)

今までの知識を一旦リセットするためにも一度読んでみることをお勧めします。

いかに思い込みが多いことか思い知らされます(笑)

特にマスメディアやSNSではこのコロナ禍でデータで提示せず、好き放題発言し、いたずらに不安を煽る人もいますので、こういう世の中にあっては正しい判断を下せるようになるためにも本書は有益であると思います。

 

ではこの辺で、アディオス!