カチッサー効果の罠【影響力の武器】

¡Hola!(オラ!) 凡庸なる投資家ラテン系BOTAです。

今回は「影響力の武器」の基本となる考え方であるカチッサー効果について解説します。

人間は無意識に日常の中でこのカチッサー効果を使用しています。

カチッサー効果とは一体いかなるものなのでしょうか。

人間の自動的反応=簡便法

人間の深く考えることなく、自動的に反応してしまう心理的現象のことです。

例えが古いですが、テープレコーダーの再生ボタンを押す、カチッという音と、再生されたときに流れる砂嵐のサーという音が語源です。

とある宝石店で売れないトルコ石の価格を2倍にした処、瞬時に売り切れたそうです。

これは高い物=良い物というカチッサー効果が働いたため、特に品定せずに客が買ったためです。

また、分かりやすい例でいうとパブロフの犬という有名な実験があります。

餌の前に犬にある音を聞かせ続けると、その音が鳴っただけで無意識に餌の時間と思い、唾液が出てくるというものです。

条件反射とでも言いましょうか、または決めつけ、ステレオタイプですね。

欧米人のアジア人一般に対する目が細くて吊り上がっているというステレオタイプのイメージもカチッサーの一つですね。

人は本来なら検証をして結論を導き出すはずのものを、経験から判断して検証をすっ飛ばすことがあります。

これを簡便法、または「ヒューリスティック」といいます。

人間にとって最も効率的なため、日常生活において頻繁に使用されます。

この反応を利用して、人に頼みごとをするときは適当でもよいので理由づけをすると、無意識に頼みごとを受け入れてしまう人が多くなるそうです。

コントラストの原理

人は2番目に提示されたものが、最初に提示されたものより、かなり異なる場合、それが実際以上に異なるものと考えてしまう傾向があるようです。

簡単にいうと最初に5万円の商品を勧められ、2番目に3万円の商品を勧められると、最初に3万円の商品を勧められた場合に比べて、実際以上に安く感じるということです。

不動産営業などでよく使われるテクニックですね。

最初の方にあまり魅力的ではない物件を紹介し、最後の方に自分が売りたい他の物件よりちょっとマシな物件を紹介するというやり方です。

また、家などの大きな買い物をしたときなどは数十万円もするオプションが家の価格に比べて安く見えてしまうので、躊躇なく買ってしまったりします。

車のディーラーもオプションをつけさせるのにこの手をよく使います。

とかく大きな買い物をする時はとくに要注意です。

ビジネス交渉の現場でも、まず大きく吹っかけて、その後譲歩したように見せかけるのもコントラストの原理を用いたよくあるテクニックですね。

まとめ

人間が日々使用しているカチッサー効果は、自動的に反応することで、考えることが節約でき貴重な時間やエネルギーを失わずに済む利点があります。

その反面、他者により意図的にカチッサー効果を引き起こそうとされている時には、自動的に何気なく反応してしまい、他者の利益になるような行動をしてしまう事があります。

一片の情報だけに反応すると重大な間違いを犯す可能性が高まるようです。

特に大きな買い物をするときはカチッサー効果によって判断せず、一呼吸をおいて考えてみることが大切ですね。

 

ではこの辺で、アディオス!